空想散歩
散歩の時間は頭の中の空想スペースを広げてくれる私の大切なひとときだ。 いろいろなことはすべてぼんやり、ピントをすらして頭の隅へおいておく。風のにおいをスイッチにして懐かしい記憶をたどってみたり、今の自分が別の上地や瞬間を過ごすとしたらどうかとか、空想の世界で旅をしてみる。 知らない路地の日常が小さな頃を思い出させるのは何故だろうか。夕暮れ時の軒先の植木鉢の段々は僕の郷愁を呼び起こす。絵を描いたり服をデザインしたりの素はこの時間の中にある。 こうゆう私の体の中にすっと過ぎてきた時間の中で、いつも新しい発見と懐かしさと想像を見つけるとき、私の形はここから生まれてここに戻るんだと確信できる。